KURKKU FIELDSより資金調達を実施 両者が連携し千葉県房総半島での低環境負荷農業のモデル作りを加速
田んぼの自動抑草ロボット「アイガモロボ」の開発に取り組む有機米デザイン株式会社(以下、YMD)は、 音楽家小林武史氏が総合プロデュースを務めるサステナブル ファーム&パーク「KURKKU FIELDS」を運営する株式会社KURKKU FIELDS(本社:千葉県木更津市 以下、KF社)を引受先とする第三者割当増資(シリーズA’) により、資金調達を実施しました
当社グループのヤマガタデザインアグリ(本社:山形県鶴岡市、以下、YDA)は2022年よりKURKKU FIELDSと連携し、有機農業における生産性向上に取り組んで参りました。今後、YMDとYDAはKF社との連携を一層強化し、KURKKU FIELDS内はもちろん、千葉県房総半島での環境負荷の低い農業を推進していきます。来年度から同エリアの農業者と連携し、約4haの面積で、水稲の天水栽培や不耕起栽培の実証を行います。
YMDとYDAは日本国内の耕地面積の54%を占める田んぼにおいて、農業用水の条件に合わせ、好条件田では「アイガモロボ」を用いた有機栽培による単価向上を、悪条件田では「バイオステュミラント資材」を用いた天水栽培や不耕起栽培によるコスト低減を、それぞれ提案しています。どちらも温室効果ガスであるメタンの排出量を低減する傾向があることから、グリーン市場でも注目を集めており、これらの両面で生産者の所得向上、環境負荷低減に貢献して参ります。
連携の詳細
YDAと、KURKKU FIELDSの農業生産を担当する「株式会社耕す」は、2022年9月に連携を開始。KURKKU FIELDS の約6haの農場における、農作物の収量向上、販売・出荷強化を図り、有機農業の持続性を向上させるとともに、KURKKU FIELDSに来場されるお客様をはじめ、より多くの方に有機農業が持つ価値を感じてもらえるよう、取り組んで参りました。
来年度はKURKKU FIELDSの内部だけではなく、千葉県房総半島で農業者と連携し、約4haの面積で、水稲の天水栽培や不耕起栽培の試験を行います。水稲の天水栽培は湛水せずに水稲を栽培する技術であり、栽培方法によっては、面積あたりの労働時間を55%以下に抑え、一農業者あたりの営農面積を飛躍的に拡大することが可能になります。加えて、湛水しないことで温室効果ガスであるメタンの発生を限りなくゼロにできることから、環境負荷が低い栽培として注目を集めています。不耕起栽培は土壌有機物の分解が緩やかになり炭素固定を図る効果が期待され、環境負荷が低い農業として海外を中心に広がりを見せています。一方で日本ではほとんど導入されておらず、日本で実用化するためのノウハウ構築に取り組んで参ります。
各社代表者からのコメント
■ 株式会社KURKKU FIELDS 代表取締役会長 兼 プロデューサー 小林武史
これから農業は、勘と経験にだけ頼るという次元から、科学的なデータや情報を取り入れながら進化していく段階にますます入っていくと思います。
そして農業が地球環境の改善に役割を果たしていくことも重要なテーマだと考えます。
新しいチームワークが必要です。
そして、私たちは素晴らしい力が結集していることを感じています。
今回の資本提携は、農業事業界のみならず、続いていく未来のために必要な新しい潮流を見出していくことにつながってきます。そして、次世代につないでいくためのプラットフォーム作りをビジョンとしながら進んでいきます。
関係各位の皆様、どうぞよろしくお願いいたします。
■ 有機米デザイン株式会社/ヤマガタデザインアグリ株式会社 代表取締役 山中 大介
2023年9月の協業をきっかけに、木更津(千葉)と庄内(山形)の地で、
両者は共に農業を学び、実践し、未来について議論を重ねて参りました。
従来の有機栽培の取り組みに加え、
天水栽培や不耕起栽培などメタンフリーの栽培方法を確立することは、
農業と地球の持続可能性のために、非常に大きな意義があると考えています。
日本農業と世界のグリーン市場を繋げる。
それにより経済的にも環境的にも持続可能な農業の形を実現する。
木更津に先進的なモデルをつくるため、両者は一層連携して参ります。
各社会社概要
■ 株式会社KURKKU FIELDS
所在地 :〒292-0812 千葉県木更津市矢那2503
設立日 :2020年9月29日
代表者 :代表取締役会長 兼 プロデューサー 小林武史
URL :https://kurkkufields.jp/
音楽家小林武史が総合プロデュースを務める、「農業」「食」そして「自然」の循環を体験できるサステナブル ファーム&パーク。2010年千葉県木更津市に「農業生産法人耕す(以下「耕す」)」を設立し「耕す木更津農場」を開場。”次世代にも使い続けられる農地”を目指して有機野菜の栽培と平飼い養鶏を10年以上続けてきました。この30haの広大な農場を舞台に、「農業」「食」「アート」の3つのコンテンツを軸に提案する、サステナブル ファーム&パーク「KURKKU FIELDS(クルックフィールズ)」として2019年11月に第1期オープン。おいしく安全な「食」の提供はもちろんのこと、食と農業の循環、人の手が加わることで多様な生き物の住処となるビオトープなど、人と自然が織りなすさまざまな循環を感じていただける施設です。
■有機米デザイン株式会社
本社所在地:東京都小金井市中町2丁目24番16号 農工大多摩小金井ベンチャーポート101
設立日 :2019年11月22日
代表者 :代表取締役 山中 大介
事業内容 :自動抑草ロボットの開発、有機米の生産支援および流通・販売
URL :https://www.ymd1122.com/
街づくり会社のヤマガタデザインの出資により2019年11月に設立。有機米の栽培における課題を解決し、農業者の所得向上と有機米マーケットの拡大に取り組むことを目的に、有機米栽培の大きな課題となる除草作業を省力化する自動抑草ロボットの開発や有機米栽培のノウハウの確立に向けた研究開発に取り組む。東京農工大学とは有機米の栽培に関する知見の収集と諸課題の解決に向けた共同研究を2020年に開始し、2023年1月から井関農機より本格販売を開始。
■ヤマガタデザインアグリ株式会社
本社所在地:山形県鶴岡市湯野沢字畑田58
設立日 :2019年1月
代表者 :代表取締役 山中 大介
事業内容 :農業生産・販売、農業資材の開発・販売
URL :https://www.agri.yamagata-design.com/
田んぼに浮かぶ木造ホテル「スイデンテラス」などを運営する街づくり会社ヤマガタデザイン株式会社が農業の課題を解決するために2019年に設立。現在は、農業用ハウス51棟(1.44ha)にてベビーリーフやオカヒジキ、ミニトマト等を有機JASを取得し生産。また、独自ブランド「SHONAI ROOTS」の取り組みを通じて、環境負荷の低い方法によって育てた、地域の農産物の販売も行っています。最近では、化学肥料高騰・異常気象対策としてバイオスティミュラント資材等の開発・販売、「マイコス米」の産地開発を開始しています。