ユナイテッド社・KX社より4.4億円の資金調達を実施 リード投資家を迎え、本格的な資本戦略の構築を推進
地方都市の課題を希望に変える街づくり会社、 ヤマガタデザイン株式会社(本社:山形県鶴岡市 代表取締役:山中大介)のグループ会社で、 田んぼの自動抑草ロボット「アイガモロボ」の開発に取り組む有機米デザイン株式会社(以下、「当社」)は、 ユナイテッド株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長 兼 執行役員:早川与規、以下「ユナイテッド社」)、株式会社KX(事業所所在地:茨城県鹿嶋市、代表取締役社長:小泉文明、以下「KX社」)を引受先とする第三者割当増資(シリーズA’) により、4.4億円の資金調達を実施しました。
20年以上に渡りスタートアップへ投資を行い、成長を後押ししてきたユナイテッド社をリード投資家として迎え入れ、資本戦略策定をサポートしていただくことで、さらなる事業成長を目指します。また、KX社が街づくりを推進する鹿嶋・鹿行地域において、有機農業を中心とした様々な連携を図ってまいります。
アイガモロボは、2023年1月から500台限定で販売を開始し、全国各地で稼働しています。
今後、さらなるアイガモロボの量産化技術の確立と品質向上を図っていくと共に、ロボを活用した有機米の生産が本格化することを見据えた販路拡大に取り組みます。世界で急成長を続ける有機市場において、生産と流通の両面で総合的な戦略を描き、国内外における有機農業の拡大に貢献して参ります。
調達背景
世界の有機食品市場は、2020年時点で1,290億米ドルに達しています*¹。日本国内では気候変動に対応するため、農林水産省は、2050年までに有機農業取扱面積を現在の0.6%から25%まで増加させることや、化学肥料の使用量を30%抑える方針が打ち出されています。しかしながら、有機農業では従来の化学肥料を用いた農法よりも工数がかかるうえに収量が減るため*²、国内で進む農業従事者の高齢化・担い手減少の影響も踏まえて省力化・自動化が課題となっています。
有機米デザインでは、 田んぼの自動抑草ロボット「アイガモロボ」を通じ、水稲の有機栽培を行う上で最も工数のかかる除草作業の省力化に寄与、合わせて有機米の生産支援および流通・販売を行うことで、有機農業(またはそれに準ずる栽培方法)の面積拡大、生産性向上を目指しています。
*¹:農林水産省「有機食品市場 世界の状況」
https://www.maff.go.jp/chushi/seisan/kankyo/attach/pdf/yuuki_forum_R4-3.pdf
*²:農林水産省「有機農業を普及拡大させるために必要と思われる施策」
https://www.maff.go.jp/j/seisan/kankyo/yuuki/attach/pdf/chosa-3.pdf
資金調達の目的と使途
当社は、「田んぼの自動抑草ロボットの開発」と「有機米の生産支援および流通・販売」という2つのアプローチで、国内外における有機米マーケットの拡大を推進すべく資金調達(シリーズA’)を実施しています。
2023年1月から500台限定で販売を開始し全国各地で稼働し、利用いただいた農家より好評の声をいただくとともに、利用検討中の農家より多数の問合せを頂戴しております。また有機米の流通では今年度の取扱量が昨年度比3倍、30道県から集荷するなど急拡大を続けています。
今回調達した資金は「アイガモロボの量産化へ向けた生産体制構築と品質向上のための研究開発」、そして「アイガモロボを活用した有機米の産地形成と販路拡大の強化」などにあてる予定です。これにより、有機米の普及・拡大に向けた取り組みを一層加速させ、国が掲げる「2050年までに(耕地面積に占める)有機農業の取組面積の割合を25%(100万ha)に拡大する」目標達成にも貢献して参ります。
各社代表者からのコメント
■ ユナイテッド株式会社 代表取締役社長 兼 執行役員 早川 与規
アイガモロボは、有機米栽培のハードルを大幅に下げることができる革命的なプロダクトです。さらに、有機米デザインでは、有機米栽培に取り組む農家が生産した有機米を全て出荷できるよう流通の支援も行っており、農家の方が安心して有機米栽培にチャレンジできる環境づくりを進めています。国内の有機米栽培や有機米流通を加速させていくことで、日本の農家をより魅力的な産業へと進化させる取り組みに強く共感しています。人口減少や高齢化の影響も受けやすく課題が深い領域ですが、代表の山中さん率いる有機米デザインのチームであれば必ず実現できると信じ、この度出資をいたしました。
■ 株式会社KX 代表取締役社長 小泉文明
山中さんとはKX設立以降にスイデンテラスを訪問させて頂いただけでなく、鹿嶋にヤマガタデザインでの経験について講演に来て頂くなど、まちづくり会社同士で連携させて頂いており、山形での取り組みをとても参考にさせて頂いています。地方の基幹産業である農業に対する新たな取り組みは茨城県や鹿行地域においても必ず必要になると考えており、山中さんを中心とした有機米デザインの事業に魅力を感じ、今回出資させて頂くことになりました。今回の出資をきっかけに、茨城県・鹿行地域で新たな有機米へのチャレンジを生み出せることを楽しみにしています。
■ 有機米デザイン株式会社 代表取締役 山中 大介
地方には、農業には、課題が山積しています。しかし、戦略を変えることで、常に課題は未来への可能性に変えることができます。有機農業を始めとするグリーン市場は、儲かる農業を実現するための合理的な手段の一つです。国内外問わず、今後の市場成長性は極めて有望であり、国内どの地方においても、世界に対して、生産サイドからの凡ゆるマネタイズが可能となると私たちは考えます。この度、志を同じくする両社に資本参加いただけることを大変嬉しく思います。これにより、当社事業を加速させ、益々の地方および農業の活性化に寄与して参る所存です。
各社 会社概要
■ユナイテッド株式会社
本社所在地:〒150-0002 東京都渋谷区渋谷1-2-5 MFPR渋谷ビル
設立日 :1998年2月20日
代表者 :代表取締役社長 兼 執行役員 早川 与規
事業内容 :投資事業、教育事業、人材マッチング事業、アドテク・コンテンツ事業
URL :https://united.jp/
ユナイテッドは「意志の力を最大化し、社会の善進を加速する。」をパーパスに掲げ、投資事業、教育事業、人材マッチング事業の3つをコア事業としています。
投資事業においては、インターネットビジネスの黎明期から20年以上に渡って数々のベンチャー・スタートアップ企業に投資を行い、投資先企業の成長・EXITに寄り添ってまいりました。現在は国内のシード〜アーリーステージのベンチャー・スタートアップ企業を主な投資対象としております。投資はすべて自己資金で行っているため、柔軟かつスピーディーな意思決定が可能です。投資後には、長年の事業運営・投資経験により培った事業・組織運営ノウハウの提供、及び資金調達・EXIT支援等を行っております。加えて、ハンズオン支援部隊であるUVS*が事業戦略立案から実行に至るまで、事業成長のための一気通貫の支援を行います。
*UVS(UNITED Venture Success):キャピタリストチーム、バリューアップチームメンバーによって構成されるハンズオン支援部隊
■株式会社KX
事業所所在地:茨城県鹿嶋市粟生2887番地鹿島アントラーズクラブハウス内
設立日 :2021年8月
代表者 :代表取締役社長 小泉文明
URL :https://kx-inc.net/
株式会社KXは、鹿島アントラーズ代表取締役社長である小泉文明が2021年に設立した会社です。鹿嶋・鹿行地域のポテンシャルを引き出すために、「Playful Sustainable」というコンセプトのもと、一人ひとりが輝けるまちづくりを推進しています。「Playful Sustainable」とは、遊びや楽しみ、夢中や熱中、そうした行動のその先に、持続可能な未来があるような。多様なライフスタイル・考えの人々がその人らしく過ごし、認め合う社会の上に、暮らしの好循環を生むような。そんな地域のあり方を目指す合言葉です。リアルとテクノロジーの垣根を取り払い、掛け合わせることで実現する先進的かつ魅力的なまちづくりを、鹿島アントラーズや行政をはじめ、あらゆる団体や企業、有識者ともとに共創すべく、本件をはじめ、様々なプロジェクトを企画・実施していきます。
■有機米デザイン株式会社
本社所在地:東京都小金井市中町2丁目24番16号 農工大多摩小金井ベンチャーポート101
設立日 :2019年11月22日
代表者 :代表取締役 山中 大介
事業内容 :自動抑草ロボットの開発、有機米の生産支援および流通・販売
街づくり会社のヤマガタデザインの出資により2019年11月に設立。有機米の栽培における課題を解決し、農業者の所得向上と有機米マーケットの拡大に取り組むことを目的に、有機米栽培の大きな課題となる除草作業を省力化する自動抑草ロボットの開発や有機米栽培のノウハウの確立に向けた研究開発に取り組む。東京農工大学とは有機米の栽培に関する知見の収集と諸課題の解決に向けた共同研究を2020年に開始し、2023年1月から井関農機より本格販売を開始。
■ ヤマガタデザイン株式会社
本社所在地:山形県鶴岡市北京田字下鳥ノ巣23-1
設立日 :2014年8月
代表取締役:山中 大介
代表者 :代表取締役 山中 大介
地方都市の課題を希望に変える街づくり会社として、庄内地方から日本の地方都市の課題を解決するモデルの創出に取り組んでいます。田んぼに浮かぶホテル「スイデンテラス」によって、人口減少が続く庄内の関係人口、交流人口を獲得し、全天候型児童遊戯施設「キッズドームソライ」を通じて地方都市の教育環境向上に取り組んでいます。同時に、UIJターンの促進と地方都市の人材獲得のため、仕事と暮らしの情報を発信するウェブサイト「ショウナイズカン」を運営しています。また、課題が山積している農業にも本格参入し、有機農業による農作物の生産と販売を行うとともに行政と連携した農業経営者の育成や、有機農業に関わるハード開発に力を入れています。